ダンスコンポジション

これから創作活動を始めたい方、創作に行き詰まっている方、演劇関係の方からダンス以外の芸術全般に役立ちます。
創作のテクニックの辞書となる、ルイ・ホーストの定義を教えます。

5回コース(ガイダンスを含む) 1回/3時間×5 ¥15000
10回コース(ガイダンスを含む) 1回/3時間×10 ¥30000
※日程はクラス一覧をご覧ください〜

コンポジションとは?
構成法の事です。音楽の作曲法を基に、1920年代にルイホーストによって完成されたダンス•コンポジションをご紹介します。 どんな方に知ってほしい?ココではダンスを中心に振付学としてのクラスを開講していますが、内容は何かをクリエイトする事に興味のある方に向けて、考え方を伝えています。とてもアカデミックな学問としてとらえ、振付に興味のある方だけでなく、多様なジャンルの方に知っていただきたいメソッドです。 参加のタイミングは?参加のタイミングは個人のペースでプログラムをこなしていくように進んでいけますので、いつからでも参加できます。ダンサー以外の方でも聴講参加可能です。

The Method of Teaching Compositionダンス・コンポジションクラス(ルイ•ホーストメソッド)
音楽に作曲法があるように、振り付けにも技法があります。ただ体から湧き出るものをつないだり、アイデアだけを追いかけるのではなく、動きのアイデアを個人の想像力を超えた部分で引き出し、作品として成立させる技法です。80年代モダンの巨匠、マーサ・グラハムの作品で、独 自の技法を生み出したのがルイ・ホーストでした。グラハム舞踊団の音楽家であった彼の影響で、グラハムは数多くの今までに類のない発想と構成のマスター作 品を生み出しました。 このルイの提示する法則とは作曲法を振付に置き換えたものでした。ルイの技法は受け継がれ、この時代の巨匠と呼ばれる振付家の多くを始め、現代におけるマ スター作品を生み出した振付家達にも彼の技法を基に、作品創りの切っ掛けを得ています。(ピナ・バウシュ、オハッド・ナハリン、ダグ・バロー ン……)この技法の特徴は、基本的に7つの音階で構成されているクラッシック音楽の作曲法を、体の動きに展開し置き換えたものです。そしてその根本となる考え方は、 最小限のアイデアを最大限、あるいは無限大に広げる事です。そのための規約、制約を持つ事により、余分なものは全て取り除く所から始まります。このクラスでは、想像力にアプローチするのでもなく、振付の方法を学ぶのでもなく、一つのアイデアから、そして最小限の動きからどれだけの表現が生まれるか、それを作品として成立させる為の考え方、構成力を学びます。現在日本ではあまり知られていない技法ですが、全米のダンス科を持つ有名大学では必ずコンポジションクラスがあります。どのような作品創りが自分のスタイルであるかを見つける以前に、ダンスに限らず全ての創作活動への基になる知識です。音楽との関わりが深いため、作曲技法も学び、応用します。クラスでは音楽の原点からクラッシックを経て、現代のメディアまで、時には絵画の発想も取り入れな がら、幅広い視野でステップアップしていきます。並行して中世から現代までの芸術の歴史も学びます。分野は様々で、音楽、絵画、建築、文学、あらゆる方面 の芸術文化、歴史を扱います。そして現代とはどういう流れから芸術がつながってきたかを探ります。その中で、今この時代に芸術とは何を表現しなければいけ ないかを追求します。

基本のレクチャー(講座)
・世界3大宗教 (キリスト教、ユダヤ教、イスラム教) の真理
・中性ルネッサンス時代の芸術の変化
・芸術のイズムとは?
・音楽の創作技法を置きかえる
・芸術全般の創作技法の秘密
・相反する二つのものの考え方
・劇場空間の考え方
・一般的考え方とモラルのあり方

基本のコンポジション(実技)
・最小から最大(無限)の定義
・AB,ABA 方式から学ぶ
・エンバイオメントスタディー
・プロップスタディー
・音楽のモチーフ/ 身体のモチーフ〜バリエーション
・クラシカルバリエーション/コンテンポラリーバリエーション/マニュピレーション
・カノン/ロンド/フーガ/アレグロソナタを構成として用いる
・絵画や詩をモチーフに創作

基本の後、興味のあるレクチャーを選択できます~(レクチャートピックは追加されていきます)~

・アメリカンダンステクニックの重要性 Graham(身体で叫ぶ)×Limón(身体で語る)×Cunningham(身体で描く)
・『舞踏の身体に起こる差異と、お能の型と間に起こる差異を見る。』
・『Helen Tamiris(ヘレン・タミリス)のNegro Spiritual(ニグロ・スピリチュアル)から学ぶモダンダンスの起源』
・アートの意義と主張
・『Jean-Michel Basquiat(ジャン=ミッシェル バスキア)絵画に見る即応性とダンスの即興性 (Improvisation) の共鳴点』
・『身体を通して現実化する実践』Hannah Arendt(ハンナ・アーレント)の「全体主義の起源」より、人間の本質は 「行為(アクション)」であるということと、ダンスの関係性を紐解く
・ Dance and Human Rights (ダンスと人権問題)UDHR (Universal Declaration of Human Rights)
・『抽象的でありながら感情的な表現』Kurt Jooss(クルト・ヨース)Green Table(グリーンテーブル) の考察
・『舞踊の平準化/固定化されて行く傾向に対する批判的態度の意義』
・『身体の記憶が差異を生む』Giles Deleuze(ジル・ドゥルーズ)の『差異と反復』の考察より身体表現の 原理を解く
・『具体性と抽象性を考える、ダンステクニックの教授法』
・『 Gaga とソマティック教育の関係/野口体操との違い』
・『ダンスにおける心と身体の関係』外から見る対象ではなく、内側から感じる主体と捉える。
・ GUTAI(具体)とダンスの関係
・ ソマティックとカニングハムテクニック
・ 野口体操のアプローチかるくる動きの表現

※コンポジション実技は基礎編が終わったら自主作品の主題作りから、構成能力を多方面に引っ張れるように、ソロからグループまでを成果上演を挟みながら続行していきます。

Louis Horst ルイ・ホースト(1884年~1964年)町の社交場でのピアノ演奏者として音楽を始めてから、20世紀のモダンダンスの主要なポジションの担った人物として認識されるまで、ダンスの知識のなかった彼が、どのようにしてこれほどの功績を残すことに至ったのか・・・・その影に20世紀のモダンダンスの巨匠、Martha Graham マーサ・グラハムとの関係であったと言えます。彼の功績やその技法に関して書かれた本は、弟子でもあったJanet MansfieldSoares ジャネット・マンスフィールド・ソアレスによって記載され憂鬱のダンスの教本として残っています。その著書の中で、ホーストが並外れた個性と多面艇な才能を持った人物であったと言うことが浮かび上がってきます。Doris Humphrey ドリス・ハンフリー、Helen Tamiris ヘレン・タミリスなどのアメリカのダンサーや、ドイツのダンサーにとっての演奏者であり編集兼作家でもありました。当時の主要な批評家でもありました。彼が芸術としての振付法を教えてきた機関と大学Neighborhood Playhouse School of the Theater ネイバーフッドプレイハウスシアター(1928-1964), Bennington Colege ベニントンカレッジ (1934-1945), Mils Colegeミルカレッジ Connecticut Colege コネチカットカレッジ, (1948-1963), Barnard Colege, Sarah Lawrence Colege,Columbia University, and The Juiliard School (1951-1964)この他全国の多くの機関でも教えられています。

舞踊を芸術と見なすという感覚は、日本の伝統芸能を想像したときに、歴史もあることからそれは考えやすいでしょう。しかし、横文字でダンスと評した時にそれを芸術と捉えるには西洋の観点を用いなければならなりません。そこには創作段階での技術の存在であり、教育分野にも取り入れることができるか否かということが、芸術として認められるかどうかということに関わってきました。そこで Louis Horstが定義したダンスにおけるコンポジション(創作)の教育方法が生まれ、時代の流れとともにダンスはパフォーミングアーツという芸術として扱われるようになります。

Kazuko Hirabayashi 平林和子(1933年~2016年)
“日本語に直すとWisdomは知恵と訳されるが、ダンスにおけるWisdomは、自身の人生の選択の中でダンスを選ぶ知恵、Kazukoの教えは今も世界中で活躍するダンサーや振付家に与えられたまさにWisdom”

平林和子は戦後アメリカへダンスを学びに船で渡った日本人の一人、そしてアメリカのダンス界でダンス講師として、多大なる功績を残しました。Martha Graham Dance Companyのダンサーを経てグラハムテクニックの講師として、そしてルイ・ホーストのコンポジション講師として、海外も含め数多くの大学やカンパニーで教えました。その中でもAlvin Aily アルビン・エイリー、Martha Graham マーサグラハム、The Juiliard School ジュリアード音楽院、SUNY Purchase Colege パーチェス大学で最も多くの時間費やし、数しれぬ多くの生徒にたくさんのことを伝授してきました。最初彼女はジュリアード音楽院に入学し、そこで当時講師であったルイ・ホーストに出会います。授業の中で、腕の動きを創ると言う課題の時、他の生徒が工夫を凝らした腕の動きを全身の体を動かしながらチャレンジしている中、一人座りこみ指が地面んを歩くようなことをして、大変褒められたと語っています。のちに、パーチェス大学でこのコンポジションの講師となり、その卒業生から数多くのユニークな発想を持つ振付家が生まれ、全米でダンス学科で有名であったジュリアードと肩を並べるほどに、パーチェス大学を目指す未来の芸術家、ダンサーが増えました。

Ayako Kurakake 鞍掛綾子
(1968年~)
1999年渡米、平林和子のディレクションで始まったSUNY Purchase Colege パーチェス大学の大学院に入学、平林氏の元、Louis Horst ルイ・ホーストの創作技法を学びました。卒業後はNYU American Dance Guild アメリカンダンスギルドにおいて、その年の最優秀振付賞を受賞、San Fransisco Music and Choreograophy サンフランシスコで開催される音楽と振付家の祭典に招聘、Soho Present ソーホープレセント、Aily Theaterエイリーシアター、他多数の公演を行ってきました。その後大学院の同級生らと共にNY ニューヨークでReverb Dance Festival リバーブダンスフェスティバルを立ち上げます。ダンス専攻科の中でも平林氏のコンポジションを専攻した卒業生によって設立されたためフェステバルの主旨は若手振付家の発掘と、小さなダンスカンパニーの中でも世界に出る作品の発掘と言うこで、2005年~2017年まで開催され数多くの振付家、振付作品に発表の機会を与えてきました。